完璧上司は激甘主義!?
本当に最悪だ。
服はしわしわ。お肌はボロボロ。そして二日酔い……。
楽しんだ代償は大きすぎるよ。

かと言ってこのまま落ち込んでなんていられない。
どんなにお肌がボロボロで、頭痛がしたって仕事が待っているのだから。
二日酔いで遅刻なんてしたら、南課長に怒られちゃうよ。それこそ『いつまでも学生気分でいるな!』みたいに。

南課長のことを考えたら、朝から笑えてしまい頭痛も少しだけ和らいだ気がした。
治癒効果もあるとは……。
私にとって南課長はなんでもありな存在なのかもしれない。

ゆっくりと立ち上がり、シャワーを浴びてすっきりしようと寝室を出ようとした時、急にドアの向こう側から物音が聞こえてきた。

「え……なっ、なに?」

ドキッと鳴る心臓。
いつもはちゃんと寝る前に戸締りを確認しているけれど、昨日ばかりは記憶がないのだから、確証はない。

もしかして、泥棒……?

あり得る事態にサーっと血の気が引いていく。
頭痛も忘れるくらい、心臓はドキドキと脈打ち始める。

そっとドアに耳を当てると、やっぱり微かに物音が聞こえてくる。
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