完璧上司は激甘主義!?
「お疲れ様れした~」

会社と勘違いでもしているのだろうか。
業務的な言葉を返すと、俺の願いも虚しくすぐに寝室へと入って行ってしまった。

「新!」

俺の声が響く中、ドアの閉まる音が虚しく響き渡る。

「……最悪だ」

どうするんだよ、これ。
帰るのは自由だが、問題は鍵だ。
一番いいのは俺が帰った後に、新に自分で鍵を閉めてもらうことだが。

さすがに部下であり、女性である新の寝室に勝手に入る勇気はない。
鍵は確かテーブルの上に置いたよな?

すぐに確認すると無造作にテーブルの上には、鍵が置かれていた。

「どうするかな」

部屋に押し入って無理やり起こすか?
それとも鍵を閉めて持って帰り、明日会社で帰すか?

そんな考えが頭をよぎるが、それと同時に先ほどまでの新らしくない言動の数々が浮かぶ。
けっこう酔っていたもんな。
万が一なにかあったら大変……だよな?

“じゃあせめてもう少し女子には優しく接してみれば?”

ふと裕介の言葉を思い出してしまった。
< 72 / 410 >

この作品をシェア

pagetop