完璧上司は激甘主義!?
そんなことを頭の中でグルグル考えてしまっていると、すぐにまた言葉が降ってきた。

「新いい加減に頭を上げろ。そろそろ朝飯が出来るから」

「朝飯……ですか?」

その言葉につい顔を上げてしまうと、鼻を掠めたのは食欲をそそられる美味しそうな匂い。
思わずお腹の音が鳴りそうになる。

「とりあえずこれを食べろ。二日酔いでも食べられるようなものを作ったから」

「はぁ……」

やっとのことで視線を上げ南課長を捉えると、腕まくりをしキッチンに立つ姿が見えた。
会社では絶対に見ることが出来ない姿に、視線を奪われる。
男がキッチンに立っている姿って想像できなかったけど、南課長だとキッチンに立つ姿もさまになる。
やっぱりそれは南課長が男前だから?
それとも好きな人……だから?

「新、早く」

「はっ、はい!!」

南課長に強く言われると自然と背筋がピンと伸びるというか、シャキッとなる。
さっきまでの考えなどどこかへぶっ飛び、慌てて立ち上がると見えたのは美味しそうな料理の数々。

「すごい」

思わず言葉が漏れて唖然としてしまう。
朝ご飯とは思えないくらいのクオリティの高い料理の数々に、ゴクリと生唾を飲み込む。
< 76 / 410 >

この作品をシェア

pagetop