完璧上司は激甘主義!?
「新?どうかしたのか?」

すっかりと食欲が失せ、箸が止まってしまった私を不思議そうに見つめてくる南課長。
その表情からは真意を読み取れないものの、きっと軽蔑したに決まっている。
だってこんなズボラ女、南課長にとって一番嫌いなタイプでしょ?

あぁ。後悔ばかりだ。
このままじゃまずいって気付いていたくせに、いつまで経ってもズボラな性格を直さなかった罰が当たったんだ。
よりにもよって、南課長に実際に見られ掃除されるなんて――……。
言い訳の言葉も出てきそうにない。

「……もしかして部屋のことか?」

「――え?」

いつの間にか南課長も食べる手を休め、ジッと私を見つめていた。
仕事中と変わりない表情。
本当に読み取ることが出来ない。南課長の心情が。
だから余計に怖い。次の言葉が――。

後悔と緊張と、色々な感情が押し寄せてクラクラしてくる中、南課長は私に問い掛けてきた。

「新はさ、このままじゃダメだって思っているのか?」
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