手を伸ばした先に君がいる
横顔の君
とあるビルの2階に入っている雑貨を輸入する会社で働く衣織。

時計はすでに夕刻を指している。

衣織の隣にデスクを並べている親友の美和が

デスクワークで凝った首を左右に曲げながら、席を立ち窓辺に歩いていく。


美和 「衣織~、あんたの王子様がお迎えに来てるよ~」窓の外の車を指差す

衣織 「えっ?わ!もうこんな時間!」 時計をチラッと見、書類を抱えて美和の元へ

美和 「あの車、そうでしょ?頼もしい王子様」にやっと笑う

衣織 「・・王子様じゃないってば。」 呆れた顔で抱えてる書類を片付ける

美和 「何、今日デート~?」

衣織 「違います~、大学の後輩のところに行くんだって。そのお供です^^」書庫に鍵をかける

美和 「あんまり楽しそうじゃないデートね。ま、富士兄にヨロシクね」

衣璃 「うん、じゃ先帰るね」鍵を美和に渡す

衣織 「お先に失礼します」

    手を振る衣織と美和
    建物から出て一台の車に走っていく衣織を二階から見ている美和
A  「衣織ちゃん、お兄さんが迎えに来たの?」

美和 「あ~、違う違う。元家庭教師だったお兄さん」

A  「彼氏か~^^」

美和 「ど~なんだろうね~・・・あの二人は」 富士兄が車のドアを開けるのが見える

衣織 「富士兄ごめんなさい、時計見てなくて」 富士斗の目の前で手を合わせる衣織

富士斗「着いたばかりだ。さ」美和を車に促す

   富士斗の車が去っていく
美和 「・・・10年経っても進展なしか。よくわかんない二人だわ。」

< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop