LOVEPAIN⑤
「――そうだったんだ」
初めは興味津々で聞いていた芽衣子さんだけど、
私の話が妙に重くリアルだったから
その表情が暗い
私に同情しているのが分かる
ただ、このストーカーの話のおかげで、
それなりに私もこの場の話の輪に入れた
「てめぇ、なんでストーカーに遭ってんの隠してんだよ?
部屋迄入って来てんなら、
俺の部屋迄聞こえるくらい大声で助け呼べば、
俺がそのストーカーぶん殴ってやったのによ!」
「そうですね…」
そのストーカーを、
篤は違う形だけどぶん殴ってはくれているのだけど
本人はあの時の事だと、
気付いてはないみたい……
“――お前の部屋に文句言いに来たら、
いきなりあいつが出て来て俺にぶつかって。
謝りもしねぇで非常階段の方に走って行くから、
追い掛けて取っ捕まえて、
ぶん殴ってやったんだよ――”