LOVEPAIN⑤

「俺はこいつの事、
いいなぁ、って思うんすけどね。

本当は俺の方が相手にして貰えてないんですよ」


その言葉に驚いて、
横に居る篤を見てしまう



篤、どうしたの?!


一体、何を言い出すのだろうか?!





「それに、あれなんすよ。
うちの会社、ほら、事務所の女の子に手を出したらクビで。

だから、それが怖くてこいつの事口説けないっすよ」




あれだけ散々事務所の女の子に手を出してて……


クビが怖いから口説けないとか、嘘を付け!


と、その篤の言葉に心の中でツッコんでしまう



嘘?


ああ、なるほど!


さっきからのその言葉は、
嘘かぁ




多分、この場でいつもの調子で篤が私を貶したら、

私のプライドがズタズタだったかもしれない



恋敵の芽衣子さんや、
成瀬の前で



いつものように、
てめぇなんか有り得ねぇ、
とか言われてたら




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