LOVEPAIN⑤

「べつにヤッたからって、
付き合ってとか面倒な事言わないんで…。

遊び…、セフレでいいから…。
なんなら、一回きりでも」



こんなにも自分を安売りするような台詞を口にしているのに、

その事に対してなんの羞恥心もない



そして、これ程大胆な事をしていても、
緊張もしない




まるで、自分が自分ではないようで




「て、てめぇ、ふざけんなよっ!
俺の事、からかってんのかよ?」



「ふざけても、からかってもないですよ。

篤さん、散々事務所の女の子に手を出してるんだから、
私にも…」



「お前、自分でなに言ってんのか分かってんのかよ?」



「分かってますよ」



分かっている


自分が言っているその言葉の意味



自ら、都合のいい女に成り下がろうとしている


しかも、惚れてもない男の



そして、篤とは男と女としてではなく、
それなりに人と人として、

いい関係を築いていたと思う



それも、ぶち壊してしまう事なんだって




< 126 / 641 >

この作品をシェア

pagetop