LOVEPAIN⑤
「――今夜は一人で居たくないんです…。
一人で居たら、この夜が怖い…。
私…」
一晩中、苦しんで
もう朝なんて来ないんじゃないかって言う、
恐怖に襲われて
「私…怖いんです…。
私、一人で……」
廊下は私達だけだから静かで、
声が響いている
どこかから、誰かが水道を使っているような生活音が聞こえて来る
似ている
卒業式前日のあの夜と、
似ている
あの夜、私は全てを失って、
一人であのボロいアパートで過ごした
電気も点かなくて、
真っ暗闇で
またあの夜みたいに、
一人になるのが怖い
「だったら、
俺が一晩中側に居てやる」
篤の手が私の肩から背に降りて来て、
強く抱き締められた
両手で強く、
息が出来なくて苦しいくらいに