LOVEPAIN⑤


「――苦い」


一口飲んで、
そのビールの苦さに顔をしかめてしまう


生まれて初めて感じた、
その味




「お前、ビール飲めないのかよ?」



「大丈夫です。
慣れれば…」



苦いと分かって飲んだ二口目は、
少し美味しいと感じた




篤は念願の煙草に火を点けると、
美味しそうにそれを吸っていた




「私も、吸ってみたい」



「あ?駄目だ」




好奇心でそう言ってみたが、

眉間に皺を寄せて睨まれた



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