LOVEPAIN⑤
「これか?」
私の視線に気付いた篤は、
起き掛けに煙草をくわえながらこちらを見た
「初めて、タトゥーを生で見ました」
怖いけど、興味津々
「二年くらい前か?
ダチの兄貴が彫り師目指してて、
練習に彫らしてくれって。
ま、俺も前から興味あったし。
それに、そんなんじゃなきゃ、
俺みたいな未成年は条例とかで入れられないから、
ちょうど良かったのかも」
篤は火を点けた煙草の煙を、
美味しそうに吸って吐き出す
そんな姿も背中のそのタトゥーも、
自分と同じ歳とは思えないくらいに、大人っぽい
「タトゥー、触っていいですか?」
「べつに、いいけどよ」
篤がそう言い切る前に、
私は篤に近付いてそれに触れていた
温かくて、さらさらとしていて、
それは篤の肌の感触なのだと思った