LOVEPAIN⑤

「私はやはり篤さんから見て、
女でもないんだなって」




「なにをどう思ってんのか知らねぇけどよ。

他の男の事を好きだって泣いてる女、抱けっかよ」


篤は吸っていた煙草を、
灰皿に押し当てて消している


吸っていた時より、
今の方が部屋が煙草臭い




「私…」



成瀬の悪口を言いながら…




“――それでも、私は成瀬さんが好きなんですよ。

ずっと、この先も――”



そんな事を言って、
大泣きしたような記憶がある




「もしよ、また同じような事言って来たら、

次は遠慮なくヤるから」



「あ、はい…」



それでも、篤は私に手を出さないんじゃないかって、

そんな気がしてしまう



私が篤から見て、
女としての魅力があるとかないとか関係なくて



私と篤の間には、
そんな間違いが起こらないような気がする



万が一だけど、
私と篤がお互い好きになったりしない限りは






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