LOVEPAIN⑤


「嘘ばっか。

本当に心配なら、
ナツキさんもあの場所に来てたはずです」



成瀬ならそうしそうだな、
と思って、

そうやってまた成瀬の事を考えてしまう




『だって、俺、篤君に来るなって言われたし』




「そう言われたからって、
素直に言う事を聞くタイプじゃないくせに」



『そうなんだけど。

ま、そうなんだけども、
夕べは篤君が居るのにでしゃばるのも、
俺も気が引けるわけよ』




もし、私が耐えられないくらいに困っていたら、

篤はあの場から
私を連れ出してくれたと思う


そう思うと、わざわざナツキが来る必要はないのかもしれないけど



でも




「だけど、私の事が本当に心配ならば、
電話くらいしません?」



夕べのあの電話から今迄、

ナツキから一切電話もメールも無かった


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