LOVEPAIN⑤


「もし、芽衣子さんが、
過去に私と何かあったんじゃないかって訊いてきたら、

成瀬さんはどう答えますか?」



「その時は、正直に言う」



訊く前から、
なんとなくその答えは分かっていたような気もする




「知られても、
芽衣子さんとの関係が壊れない自信があるんですね?」



だから、素直に言えるんだ



「いや。
自信があるなら、
訊かれなくても自分から話してる。
ただ、嘘を付きたくないだけ。

本当は、お前との事が知られたら、
芽衣子が傷付いたり、
離れて行くのかと思うと、
お前の存在が怖い」



「そうですか……」



もう成瀬にとって、
私の存在って邪魔なだけなんだな



私との過去も、
今の成瀬の幸せを脅かすものでしかなくて




本当に、早くこの気持ちを吹っ切ってあげないと、

成瀬が可哀想なのかもしれない



初めて、そんな風に思えて来た






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