LOVEPAIN⑤


「あの、すみません」


やっと声を掛けれたのは、

打ち上げ会場から離れたエレベーター乗り場の前


みかちゃんとマネージャーの中年の男性が、
こちらを振り向いた




「あ、おつかれさまです。
鈴木広子ちゃん?」


可愛い顔で首を傾げているから、

同じ女の私でもキュンとしてしまう




「鈴木さん、どうされました?」




みかちゃんだけじゃなくマネージャーの男性も、

私を知ってくれている




「えっと、あの、サインをお願いしたいんですけど…」



「私のですか?
嬉しい」


キラキラとした笑顔で、

本当にこの子は可愛いと思ってしまう




「はい。
ただ、私じゃなく知り合いがみかちゃんのファンで…。

えっと、私もファンなんですけど」


ついつい、そう嘘を付いてしまう


ただ、本当に今、
私は高橋みかちゃんのファンになったのだけど



< 192 / 641 >

この作品をシェア

pagetop