LOVEPAIN⑤
「あの、すみません」
やっと声を掛けれたのは、
打ち上げ会場から離れたエレベーター乗り場の前
みかちゃんとマネージャーの中年の男性が、
こちらを振り向いた
「あ、おつかれさまです。
鈴木広子ちゃん?」
可愛い顔で首を傾げているから、
同じ女の私でもキュンとしてしまう
「鈴木さん、どうされました?」
みかちゃんだけじゃなくマネージャーの男性も、
私を知ってくれている
「えっと、あの、サインをお願いしたいんですけど…」
「私のですか?
嬉しい」
キラキラとした笑顔で、
本当にこの子は可愛いと思ってしまう
「はい。
ただ、私じゃなく知り合いがみかちゃんのファンで…。
えっと、私もファンなんですけど」
ついつい、そう嘘を付いてしまう
ただ、本当に今、
私は高橋みかちゃんのファンになったのだけど