LOVEPAIN⑤
「広子さん。ごめんね。
少しの間、目を瞑っててくれたらいいから。
設定的に、軽いレイプだから、
嫌がりながら目を閉じてても不自然ではないから。
ね?コウジロウ監督?」
「うーん。
ま、それでもいいけどね~」
田中たちおは、
私が彼の容姿を苦手として本気で嫌がっているのだと、
気付いているみたいで……
それなのに、私の事をそんな風に気遣ってくれている
「あの、大丈夫です。
すみません!
私、最近ストーカーに強姦されそうになってそれを思い出して、
体が強ばっただけです!
田中たちおさんが悪いわけじゃないんです!」
そう頭を下げて、
私は再びソファーに腰を下ろした
正直、ストーカーに遭った事なんて、
頭になんてなかった
とっさに嘘を付いてしまったけど、
田中たちおを傷付けたくないと思った