LOVEPAIN⑤

エレベーター乗り場の前で、

エレベーターが来るのを待っていると




「広子」


成瀬が私の方へと歩いて来ている




「やっぱ、俺も帰るから」



「大丈夫って言ってるじゃないですか!」


苛立ったように、
強い口調になってしまった



成瀬に対して、腹が立っているわけじゃないのに


かと言って、
佐藤雲雀に腹が立っているのかもよく分からない



彼に感じているのは、恐怖



今も、体が震えて来る





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