LOVEPAIN⑤


ベッドに乗り、

無我夢中で布団やスプリングを切り裂いていたからか気付かなかった




寝室のドアがガチャリと開く迄、

部屋に誰かが帰って来ている事を





「――広子ちゃん?」



いつものんびりとしている芽衣子さんも、

流石に今はその顔が蒼白としている




なんで、芽衣子さんはこんなに早い時間に帰って来たのだろう?



ああ


そう言えば今日は土曜日だった



だから、勤め先の歯科医院が、
早く終わったのだろう





私はベッドから降りると、

そのまま芽衣子さんに近付いた



包丁を彼女に向けて







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