LOVEPAIN⑤


私は芽衣子さんに向けていた包丁を逆に握り直し、

自分に向けた




「ダメ!広子ちゃん!!」



そして、そのまま自分の首を切り裂く――…





ポタポタ――…



床に落ちる、赤い血



それは、止まる事なく、
今も滴り落ちる




「――芽衣子さん」




血が流れているのは、
私の首じゃない



包丁を掴んだ、
芽衣子さんの手の平から




芽衣子さんは右手で包丁の刃を掴み、

左手で私の右手首を掴んでいる


どちらも、その力は強い





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