LOVEPAIN⑤
ガチャリ、と玄関のドアが開く音がした
「芽衣子、玄関のあれ割れて……」
部屋へと入り私達の姿を見て、
成瀬は言葉を無くしていた
「――なんで、成瀬さん迄」
成瀬はスーツ姿なので、
今日は休みではないと思う
仕事終わりか仕事の合間に抜けて、
帰って来たのかもしれない
手にはクリーニングを終えた、
ビニールの掛かったスーツを数着持っている
「芽衣子、お前、血が」
成瀬はそのスーツを床に落とし、
芽衣子さんの方へと駆け寄った
「大丈夫だよ。
それより、広子ちゃんも怪我してるから」
芽衣子さんの言葉に、
成瀬はゆっくりと私の方を見た