LOVEPAIN⑤
「でも、聞かなくても、
大体分かるでしょ?」
「そうだな」
「私、合鍵で勝手にこの部屋に入りました。
部屋を滅茶苦茶にして。
それで、帰って来た芽衣子さんを、
殺そうとした」
私の“芽衣子さんを、殺そうとした”
と言う言葉に、
成瀬は少し驚いたように私を見ていた
まさか、とそこ迄は思っていなかったのかもしれない
「彼女さえ、居なかったらと思って…」
今思えば、私は芽衣子さんを、
殺したかったわけじゃなかった
殺したい程、彼女に憎しみなんてない
ただ、その存在を初めから実在しなかったように、
消し去ってしまいたかった
そんな事出来ないから、
消し去るように殺してしまおうと思ったのかもしれない
彼女の存在そのものが無くなれば、
私は今の辛さから救われると思った
今思えば、それは浅はかな思い込み