LOVEPAIN⑤

「――成瀬さん。

もう一度だけ、抱いて下さいよ。
体だけでもいい」



もう二度とその心が手に入らないのならば、

体だけでもいいから彼が欲しい




「お前、ふざけんなよっ!」


床に置いていた掃除機を蹴飛ばし、

それが壁に当たって大きな音が響いた




「この話の流れで、
何がどうなったらそうなんだよ」



「――抱いて下さいよ」



「んなの、無理に決まってんだろ。

お前にもうそんな気も起きねぇ」



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