LOVEPAIN⑤
「僕、風邪薬持ってるんですよ!
けっこう風邪引きやすくて。
僕ので良かったらどうぞ」
田中たちおはショルダーの鞄のチャックをあけて、
中から市販の風邪薬の箱を取り出した
「いえ、そんな悪いですよ!」
「あー!!
ごめんなさい!!
これもう空だ」
その風邪薬の箱を振っているけど、
空だからもちろん音などしない
そうだ、と言って田中たちおはその風邪薬の箱を鞄にしまい、
違うものを取り出した
「はい。
これ喉飴」
そう言って、
そのアルミのフィルムで個別に包装されている飴を、
三個私の手に置いた
蜂蜜、黒糖、柚子
最近の喉飴は、洒落てるよなぁ~