LOVEPAIN⑤

「じゃあ、お前は俺がそう言う男だと思ってるから、

そう言うのか?」



「違う」



「何が違うんだよ?」



「好きだから。

成瀬さんには、
好きだから言ってます」



少し、私の襟元を掴んでいるその手から、
力が抜けた




「もし抱いてくれないのならば、
私、また芽衣子さんに何をするか分からない……。
次こそ、殺すかもしれない。

いいんですか?」




完全に、その手から力が抜けた



成瀬がどれだけ芽衣子さんを思っているのか、

思い知ったような気がする



彼は、芽衣子さんを守る為に、
私を抱く





「――来いよ。

芽衣子にはもう何もすんな」


成瀬はそう言って、
寝室へと入って行く




私はまた溢れ出して来る涙を手で拭い、

成瀬の後を追った






< 250 / 641 >

この作品をシェア

pagetop