LOVEPAIN⑤

「ああ…。
また後で」


そう言って成瀬は電話を切ると、

体ごとこちらを向いた




「芽衣子さんから、
何を聞いたのですか?」



先程、成瀬が驚きこちらを見ていた事が気になる




「お前のその首の怪我の原因と。
芽衣子の手の傷のわけ。

なんで、本当の事言わねぇんだよ?
知らないで俺お前の事殴って…」


私の左頬に、成瀬の手が触れた



そして、その手が下に下りて、

私の首筋の怪我の周りを撫でる



「死のうとしたんだろ?」




私は自ら、命を断とうとした



べつに、わざわざ成瀬に言うような事じゃないと思っていた




どんな経緯にしろ、

芽衣子さんの手を傷付けたのは私




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