LOVEPAIN⑤

再び、私は成瀬に抱き着こうとしたが、

避けるように身を離された




「もうこんな事辞めろ。

きっと、お前はもう芽衣子に何もしない。
だったら、俺はもうお前を今抱く理由はない。

本当にお前に対して、
そんな気が起きねぇんだよ」



「嫌だ…。
私、本当に芽衣子さんに何かしますよ?

ねぇ、成瀬さん!」


成瀬のワイシャツを掴んで、
そう懇願してしまう




「お前、んな事して、
余計に自分が傷付くのが分かんねぇのかよ」


その言葉に、手から力が抜ける



今でも充分に傷付いている


これ以上、傷付きようがないくらいに



だけど、再び成瀬に抱かれたら、

さらに彼を好きになってしまうと思う



それなのに報われなくて、

さらに傷付くのかもしれない





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