LOVEPAIN⑤

「広子、ごめん」


突然のその謝罪が何に対してなのか分からなくて、

探るように成瀬の横顔を見てしまう




「芽衣子と付き合ってから、
お前の事を中途半端に突き離すくらいなら、
いっその事、とことん突き離してお前に嫌われようと思った。

それはお前の為ってより、
俺自身が、お前に嫌われた方が気持ちに整理がつくと思ったから。
そうやってお前の事も嫌いになろうともした。

そうでもしないと吹っ切れないくらいに、
お前が好きなんだよ。

今だって……」




先程迄は平気だったはずの首筋の傷が、

なぜか痛み出す




「俺のその態度が、
ここ迄お前を追い込むとは思わなかったんだ。

ごめん…」



その成瀬の謝罪が、
胸を突き刺す


その声が、とても悲痛だからか





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