LOVEPAIN⑤
「――ラララ~♪ラララ~♪」
ずっと、ラララだけで歌う彼
近付いて来た私に気付いて、
演奏を止めた
「あ、あの時の。
やっと聴きに来てくれた」
そう言う彼は、
私の事を覚えているみたい
“――俺らY駅の近くのライブハウスに時々出てんだ。
後、たまにF公園で俺一人で練習してる。
ま、良かったらどっちかに来て。
さっきみたいな誰かの曲じゃなくて、
今度はオリジナル聴かせてやるから――”
「はい。聴きにきました」
でも、今日は本当にたまたま
偶然
偶然だからこそ、
妙に縁を感じてしまった
それにしても、
知らずにF駅の方迄歩いて来てしまったんだ……
F駅は、住んでるマンションから一駅向こう
真夜中の公園内には、
この涼雅以外誰も居ない
一人で、練習でもしていたのか