LOVEPAIN⑤
「鈴木広子ちゃん?」
「なんで、私の名前を知ってるんですか?」
以前会った時、
私は自己紹介はしていないはず……
多分
「ほら?あの日、
AVのイベントかなんかだったんでしょ?
俺も後からスタジオに貼ってあったポスターとかで、
さっきの子だって知ったんだけど」
「そ、そうですか…」
またこうやって、
自分がAV女優だと言う事を実感してしまった
私が名乗らなくても、
そうやって知られている
「前に、今度会ったらデートしよって言ってたの覚えてるか?」
「え?でも、私断ったような気がします」
“――デートはしないけど、
あなたの歌はもっと聴きたい!――”
しっかりと、断ったはず