LOVEPAIN⑤


「してるのは同情ってより、
共感かもしれません」



私の境遇とは違うけど


なんとなく、分かる



高校時代、私は自分よりも遥かに優れた友人達が近くに居た



だから、もしかしたら私は可哀想なんかじゃないのに、
その子達と比べて劣るから、

周りから見て可哀想な子になっていたのかもしれない



周りがみんな私のように貧乏で冴えなかったら、

きっと私は普通




だけど、自分でどう思おうと、私は世間から見たら可哀想で、

可哀想だから同情され優しくされる事も多かった


勿論、それが嬉しいしありがたかったし、

何の不満もないのだけど



ただ、その優しさを向けて来る相手が、

自分の大切な人だったら複雑



もし成瀬が、可哀想だと同情だけで私に今迄優しくして来た、

とかだったら……




だから、両親からそんな愛情を向けられている涼雅は……



あれ?



共感じゃなく、
涼雅に同情しているのかな?




「けど、俺は可哀想じゃないけどな。

音楽に関しては、天才だから。
他に何を望むんだよ」


その涼雅の顔は自信や誇りに満ち溢れていて、


私とは全然違うと思った



そして、私には足りない何かを漠然とだけど、

肌で感じた





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