LOVEPAIN⑤


「私、遥さんが広子ちゃんの事好きなの、

ちょっと気付いてた」




「――そうなんですか」



「うん。
前に一度会社の近くで、二人が歩いてる所を見掛けた事があって。

その時の遥さん、
横の女の子にすっごい優しい顔してるなぁって。
好きなのが見てて分かるくらい。

それが、広子ちゃんなんだけどね」




そうなんだぁ



周りから見て成瀬がそんな風に、

私に優しい表情を向けてくれていた





「だから私。
もう諦めようと思って、あの日告白したの。

上手く話せなかったらと思って、
手紙迄用意して」


昨日の事のように、
顔を赤くして恥ずかしそう




「だったら、上手く行ったでしょ。
もう、ビックリして」




もし、成瀬が私と出会っていなくて、
芽衣子さんが告白していたら


そうしたら、何も問題がなく本当に幸せな恋人同士に二人はなっていた



私からしたら、
芽衣子さんさえ現れなかったらと思っていたけど


芽衣子さんからしたら、

私さえ現れなかったら良かったのだと思う






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