LOVEPAIN⑤


「――もし、手の平の傷残ったら、ごめんなさい」



そうなったら謝っても謝りきれないだろうし、

きっと、傷は残るはず


それくらい、深かった





「傷、残ってもいいんだぁ」



「え?」



手の平でも、
傷なんて残ったら普通は嫌なはず




「ほら?
マスカケ線って知ってる?」



「もしかして、手相ですか?」



「ちょうど傷が頭脳線の真上で。
私のこの手の怪我を手当てしてくれた先生が、


“もしこの傷が残ったら、天下獲れるね~”って」



そんな医者に手当てされて、
大丈夫なのだろうか?


さらに心配になって来た



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