LOVEPAIN⑤
「話を戻すけど。
広子ちゃんは遥さんの事、
好きならば好きでいて欲しい」
それは、
はい、とも、
いいえ、とも答えられない
「遥さん。
今思うと必死だったんだよ。
付き合ってから毎日のように私に会いに来て。
直ぐに私に合鍵をくれて、
半同棲みたいになって。
それに、この指輪も…」
芽衣子さんは、
自分の左手の薬指の指輪を見ている
本当なら、その話をもっと嬉しそうに語ってもいいはずなのに、
その表情はうかない
言葉だけを見ればのろけ話なのに、
その表情も声もそうじゃない
「この指輪、つい最近遥さんと一緒に買い行ったの。
それで、遥さんに選んで貰ったんだけど…」
指輪から、私の顔に目が向けられた
「私より、広子ちゃんの方が似合いそうだよね」
その指輪を見るが、
べつに私より芽衣子さんの方が似合うはず
ただ、私が欲しいと思った指輪ではあるけど