LOVEPAIN⑤
「だったら、こいつに手ぇ出したら、次はぶん殴る」
「オッケー。
その時は顔でもなんでも、
好きなだけ殴れよ」
篤は踵を返して、
自分の部屋の方へと帰って行こうとしている
「篤さん!」
「あ?なんだよ?」
私の呼び掛けに振り返るが、
その顔は不機嫌
「あの、携帯番号は…」
「誰がてめぇなんかに教えるかよ!」
ガンッ、と思い切りドアを蹴られ、
その音に思わず目を瞑ってしまう
目を開けると、
僅かだがドアがへこんでしまっている
そのドアは、
篤自身の部屋のドアなんだけど……
だから、そのへこみを見て、
篤は大きく舌打ちをして部屋へと入って行った
バタン、とドアを閉める大きな音が響く