LOVEPAIN⑤
「今さら謝っても遅いですけど、
二人の邪魔をして本当にごめんなさい。
芽衣子さんを傷付けて…。
それに、成瀬さんの部屋もぐちゃぐちゃにして」
「俺には、謝らなくていいから」
その声が、私を許してくれたように優しかった
私は手で、涙を拭う
よし!
もうこの事では泣かない
「これ、お返しします」
鞄の中から、
小さな紙袋を出して成瀬に渡す
その何には、
成瀬の部屋の合鍵と、
カルティエの指輪がケースに入れて入っている
「ああ」
成瀬は受け取ると、
中を確かめる事なくそれを後部座席へと置いた
その表情が哀しそうに見えるのは、
私の思い上がりなのかもしれない