LOVEPAIN⑤
「いえ。一人じゃないですけど。
彼氏とですけど」
『ああ。篤君?』
もう、この手の話題で篤の名前を出される事に飽きたのか、
溜め息が出てしまう
「篤さんじゃないです」
『あっ、そうなんだ』
特に、相手が誰とか興味ないみたいだけど
『けど、彼氏居るのか。
じゃあ、無理かぁ』
そう電話口で困ったように、
溜め息を付いている
「何が無理なんですか?」
『いや。
明日の夜ね、一緒に食事でもって思ってたんだけど。
俺、明日仕事休みだから』
「ちょっと待ってて下さい。
彼氏に訊いてみます」
私は携帯電話の送話口を手で押さえた
「涼雅、明日の夜、
ナツキさんに食事に誘われるかもしれないんだけど、
いいかな?」