LOVEPAIN⑤


O駅は都会だからか、

人混みの中一人待ち人を待つのは不安



一度、ナツキの携帯に電話を掛けてみようか?



そう思った時、
ナツキは少し焦ったようにこちらにやって来た




「ごめん。
5分くらい遅刻した?」



「いえ。
20分ですけど……」




そんな事よりも……




「ナツキさん、
髪どうしたんですか?」



「ああ~。
ちょっとね」



「真っ黒……」



けっこう明るい茶色だったナツキの髪が、

今は真っ黒で……


それに、それに……




「前髪が……」



前髪が、真っ直ぐと切り揃えられている




それだけじゃない



なんだろ?



いつものナツキと、
雰囲気が違う




スーツもいつも着ていたようなタイトな感じではなくて、

黒くデザインもシンプルでリクルートスーツみたいだし



それに、銀縁フレームの眼鏡なんか掛けていて……

< 363 / 641 >

この作品をシェア

pagetop