LOVEPAIN⑤


「前髪、おもいっきり切られて」


ナツキは顔をしかめながら、
自分の短くなった前髪を引っ張っている




「美容院か何か行ってたんですか?」



それが、遅刻の原因で、

ナツキが昨日言ってた行きたい所だったのだろうか?




「うん、さっきね。

近所の床屋行って床屋のジジイに髪黒くして真面目そうなダッサイ髪型にしろって言ったら、

洒落になんない髪型にされて」




よく見ると前髪だけではなくて、
サイドも耳の上くらいで揃っていて、

後ろは少し刈り上げられている



これは、坊っちゃん刈りってやつかな?!




「でも、その床屋のおじいさんは、

ナツキさんの要望にかなり応えてくれてるじゃないですか」



「お前、今、俺の前髪見て、笑ったでしょ?」



「いえ」



ナツキは元がいいからか、

その髪型はその髪型で不思議とよく見えてしまうんだけど



お洒落な感じがして、
私はこちらの方が好みかな?



そう思って、
笑ったかもしれない





< 364 / 641 >

この作品をシェア

pagetop