LOVEPAIN⑤



「お前の前髪も、
切り揃えてやるから」


ぐいっと、
私の肩に腕を回してそのまま拘束すると



右手には、ハサミが





「なっ、なんで、ハサミなんか持ってるんですか?!」



「床屋出て鏡見たら、
左右微妙にバランスが悪かったから、

気になってさっきコンビニで買って直してたの!

あのジジイ、前髪だけは定規でも当てたかのように真っ直ぐ切るのに」




なるほど



遅刻の原因は、

ハサミを購入して
髪型を手直ししていたからか




「ちょ、ちょっと、
私は切らないで下さいよ」




目の前で、
シャキシャキと動いているハサミ



本当に、切られるんじゃ……




その時





















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