LOVEPAIN⑤
ナツキが母親と待ち合わせをしている、



カニ専門店へ向かう道中





「その髪を黒くしたのも、髪型や服装も、



お母さんに会う為なんですよね?」





「そう。

うちの母親、

俺がホストなの知らないから」






「え?!

知らないんですか?!」






確かに、いつものナツキの風貌ならば、



見た目でホストってバレただろうけど……





でも、ここ迄する事ないんじゃないかな?





短いそのナツキの前髪を見てしまう






「ホストって知らないのもそうだけど。

俺、田舎の時超ダサかったから。



やっぱ、親にあんまり変わった姿見せたくないわけよ。

都会に染まった的な」






“――俺、島に住んでた頃は、すげーダサくて。

子供の時から目が悪いから、分厚い眼鏡掛けてたし、

髪も伸びたら近くの床屋で切って貰うって感じだったし。

服装なんか、最悪で。



特に女にもモテなかった――”





そう言えば、

ナツキは以前そう言っていたな





でも、女にモテ無かったのは嘘だろうな





だって、今も同じようにわざと垢抜けないようにしていても、



それなりにカッコイイし





行き違う女性は、

何人かナツキを見ていた

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