LOVEPAIN⑤





ナツキの母親は、
とてもよく喋る人だった


だから、私は特に自分が話さなくていいからか、
気付いたら緊張も薄れていた




「久志は子供の頃は、
本当に可愛かったんだけどね~。

女の子みたいで」



「母ちゃん頼むから、
これ以上よけいな事言わないでよ……」



段々と、ナツキは自分の過去の事を話される事に慣れて来たのか、

止めるその声に力が無くなって来ている


半ば、諦めのように



私はカニを頬張りその味に舌鼓を打ちながらも、

その話に耳を傾け笑っていた






< 389 / 641 >

この作品をシェア

pagetop