LOVEPAIN⑤
◇
ナツキの母親は、
とてもよく喋る人だった
だから、私は特に自分が話さなくていいからか、
気付いたら緊張も薄れていた
「久志は子供の頃は、
本当に可愛かったんだけどね~。
女の子みたいで」
「母ちゃん頼むから、
これ以上よけいな事言わないでよ……」
段々と、ナツキは自分の過去の事を話される事に慣れて来たのか、
止めるその声に力が無くなって来ている
半ば、諦めのように
私はカニを頬張りその味に舌鼓を打ちながらも、
その話に耳を傾け笑っていた