LOVEPAIN⑤



「美佐が最近、あの子を街中で見掛けたらしくて。
派手な身なりで。

世間ではマダムって言うのかしら?
そのマダムみたいな女性と歩いてたらしくて」



「えっと、その…」



誤魔化さないと、と思うのに


頭が真っ白




「美佐が、絶対久志がホストになってるって言うのよ。

だから、それを確かめる為に私、今日」



「そうなんですか…」



突然の上京は、それでか



ナツキの元彼女の事もあって、
心配だったのもあるだろうけど




「あの子は、何も変わっていなくて安心した」


その言葉は、全てを分かっていて


分かった上で、
ナツキは何も変わっていないと分かっている




「あの子が住んでるマンションも、
私は住所しか知らないんだけど。

美佐に聞いたら大きなマンションみたいね」




そのナツキの叔母さんの美佐さんは、

けっこう余計な事をするタイプなんだ



きっとわざわざ、
ナツキの住んでるマンションの住所をお母さんから聞いて、

見に行ったのだろうな





< 401 / 641 >

この作品をシェア

pagetop