LOVEPAIN⑤
「――母ちゃん。
俺、ごめん。
嘘ばっか付いてて」
ナツキはそのバスに近付いて行く
「俺、仕事もとっくに辞めてホストやってて。
ほんと、母ちゃんの思ってるような息子じゃない…」
なんだろう
そのナツキの言葉に、
涙が込み上げて来る
母親に嘘を付いてる事が、
本当は辛かったんだ
「ひー君は、
昔からずっと変わらないわよ」
そう笑うナツキのお母さんの顔が、
涙で滲んで見えない
私が泣くのも、おかしな話なのに
バスは、ナツキ達親子を引き離すように出発した