LOVEPAIN⑤
「べつに、アイツの誕生日じゃなくて、俺の誕生日だから遅くなってもいいって思うでしょ?
アイツの誕生日ならば、なんとしてでも、早く帰ったんだけど。
俺、だからそれほど重要にも捉えてなくて」
ナツキがアイツと言う時は、
元彼女の話の時ばかり
5年前の今日
ナツキは仕事や付き合いで遅くなり、
彼女と一緒に住む部屋に帰宅した
彼女は、ナツキの誕生日を祝う為に、
部屋で一人待っていた
「そこからなんだよ。
アイツと上手く行かなくなったの。
俺の誕生日なんか、
べつに祝わなくてもいいのに…」
“――そんなの、自分の誕生日に仕事したくないでしょ?
誕生日は、休みたい――”
もしかして、だから誕生日は働きたくないとか?
5年前の事で後悔があって、
そうしてしまうのかもしれない