LOVEPAIN⑤
「――その彼とは本当に付き合ってるんですけど、
特殊な関係なんです。
体の関係は一切ないし。
それに、彼はペットみたいなもので!
私はご主人様で」
それは、涼雅本人がそう言っていたから
そのまま、言ったのだけど
“――鈴木広子は俺のご主人様みたいなもんだし、
俺は、拾われたペットみたいなもんだから――”
「お前、そんなキャラだったの?」
固かったその表情を崩して、
笑っている
「説明すると長いんですけど、
彼、涼雅って言って、
出会いはその…」
「そんな奴の話、聞きたくないし」
「あ、ごめんな――」
肩に腕を回されると同時に
強い力で引き寄せられて、
気付いた時にはナツキの唇が私の唇に重なっていた
付き合っていた時に一度、
付き合う前に二度ナツキとはキスをしたけど
そのどの時よりも、
優しいキスだった