LOVEPAIN⑤

「時計、返して」





「あ、はい」




私は慌てて、鞄から時計を取り出した




500万円の、その腕時計






「なに?」




照れている私を、

不審そうに見ている






「あ、いえ。

本当に広い部屋ですよね?

こんな所に住めて、

羨ましいです」





「ケイが出て行って部屋空いてるから、



お前も一緒に住む?」





「え、とそれは…」





冗談なのか、

本気なのか分からない






「冗談で言ったんだけど、

お前がそうしたいなら俺は構わないけど」






「あ、その…」





何をてんぱっているのだろうか




でも、この状況でそんな風に言われて、

冷静でいれるわけがない

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