LOVEPAIN⑤
ナツキは私の体に、

布団を掛けてくれた






「お前、カニ食ってた時咳してたから。



風邪酷くなったらあれでしょ」





「え、はい…」





あれは、咳じゃなくて、

笑いを咳で誤魔化していただけ





だって、ナツキのお母さん、



ナツキをひー君って…






「何笑ってんの?」




腕枕するように私の頭の下に、

腕を滑り込ませて来る




そして、そのまま私を自分の方に引き寄せ、



その顔を近付けて来た






「えっと…」





思い出し笑いをしてしまった……






「ま、いいや。

なんとなく、想像つくから。



俺の母ちゃんの前での態度とか、

思い出してたんでしょ」





「――まぁ、そんな感じです」

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