LOVEPAIN⑤
『――あっ…。



気持ちいい…』





『広子ちゃんは、奥が気持ちいいの?』





ドアから出て、



私はリビングのその音が聞こえて来る方に目を向けた






リビングにある大きなテレビに、



裸の私がAV男優武石健の上に股がっている映像





その部分にモザイクが入っているけど、



それでもうっすらと見えている






「――いやっ」




私のその声に反応するように、



ソファーに座っていたナツキがこちらを振り向いた





ナツキはシャワーを浴びたのか、



髪が湿っていてTシャツとスウェットのズボンに着替えている




そして、また黒縁の眼鏡を掛けている






「広子…」




こちらを見るその目が、

何を考えているのか分からなくて、



怖くなってしまう






こんなものを見たら、



ナツキは私を嫌いになるじゃないか





恐怖で体が震えて来る
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