ＬＯＶＥＰＡＩＮ⑤

『ＡＶ女優辞める気ないくせに、

いちいち俺に悪いと思う必要ないから。



中途半端でしょ？

仕事なんだし、俺に気を遣わず頑張るべきなんじゃないの』





「は、はい」





この人、本当に私の気持ちが読めるんじゃないかって思ってしまう




そして、キツイ言葉のように聞こえるけど、



その言葉は優しさに溢れている






『それと、

まぁ、成瀬さんと仲良くして。



お前がＡＶ女優として利用価値がある間は、

あの人はお前を邪険に扱わないだろうし』






これは、ただの嫌味だなぁ……






『あっ、でも、一回ＡＶ辞めたければ辞めろって言われたんだっけ？



俺の前から消えろ、とも』





本当に、嫌味だなぁ





ナツキに全て話すんじゃなかったかな……







“――だったら辞めろよ！



お前の顔なんか二度と見たくねえ！



俺の前から消えろよ――”





成瀬にそう言われた事を、

また思い出してしまった





こうやって言われなくても、

時々、思い出してしまう





それほど、傷付いたからか