LOVEPAIN⑤
『心配しなくても、

もしそうなってもお前は傷付けないから』





「えっ」





傷付けないって……




それは、無理じゃないだろうか?






ナツキを失う時に、

私が傷付かないわけがない




もし、私からナツキの元を離れたとしても






『じゃあ、俺そろそろ出るから、



切るけど』





「はい…」





携帯電話を耳から離して、

溜め息を付いてしまう






昨日、ナツキと離れてから丸一日が経った今





時間が経ち、



ナツキに対して浮かれたような気持ちが薄れている




決して、それは冷めたとは違うのだけど






私がそうであるように、

ナツキもまた同じで





冷静に色々と考えたのかもしれない





それで、今の会話なのだろう


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